現場日記

修理のイロイロ

修理のイロイロ

弊社の地元である高円寺は、その持ってる特色として。。。

『下町じゃないのに、下町っぽい』とか、

『商店街が多くて、ゴチャゴチャしているまち』とか、

『古着屋さんが多い』とか

『いろいろな面白い飲み屋さんがありそう』とか。

皆さん、そんなイメージを持たれているみたいです。

さらには、『高円寺村』←(高円寺人は地元LOVEなひとが多いですからね~)とまで言われています。

かくいう私も、この高円寺に生まれ育ち、かれこれ40年弱が経ち、

誰にも負けない、“高円寺LOVE”を自負しております!

 

さてさて、高円寺の周辺地域も含め、建物を中心にまちを見渡してみると、

新旧の様々な建物が、狭い地域にギュウ~とかたまって混在しています。

ちょっと路地裏に入ると、昭和の雰囲気を漂わせる、レトロ(古い?!)な建物が、沢山建っています。

なにしろ、高円寺地区の半分以上の範囲が、

東京都建築安全条例で定められている、「新防火地域」にかかっています。

(※)新防火地域とは。。。

東京都建築安全条例 第七条の三で定められている、建築物の不燃化を促進し、

木造密集地域の再生産を防止するために、知事が指定する災害時の危険性が高い地域について、

建築物の耐火性能を強化するものである。

 

難しいことをズラズラと書きましたが、要するに、

古い木造建築物(築30年、40年は当り前!)が密集して建っている街!

ということです。

ですから、弊社のような、地元でお仕事をさせて頂いている工務店には、

そのような築年数の古い、木造建築物の修理、メンテナンスなどの、

ご相談にいらっしゃる地元の方がとても多いです。

地元の弊社に、お声をかけて頂けることは、非常にありがたく、感謝しております。

 

ただ、古い建物の修理は、非常に難しく、新築工事よりも知識と経験を必要とするものが多数あります。

そんな時に出番になるのが、弊社の経験豊富な職人衆です。

それぞれが、とてつもないキャリアを持ってますので、その引き出しの多さにビックリするとともに、

私自身、とても勉強になりますし、安心して任せられます。

 

そんな、地元を中心に承った様々な修理・メンテナンス物件も、

これからはチョコチョコと、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

第1回目の今回は、高円寺駅前の飲食店の雨漏り修理です。

やはり築30年以上経つ木造平屋建ての店舗です。

先日の激しい雨で、雨漏りがあったとの、ご相談を受けました。

 

屋根は片流れのなまこトタン葺きです。

目視での症状は、トタンは取り替えるほどの劣化はありません。

yane003.jpg

とりあえず、雨漏り個所のトタンを外してみます。

yane002.jpg

下地周辺が湿っていて、胴縁が腐って、折れていました。

現段階では、

下地が腐っていて、トタンを留めている釘がきいていない

トタンがぶかぶかして、浮いていた

その隙間から、風向き等の諸条件により、雨が吹き込み、染みてきたのではないか?

という診断になりました。

 

職人と相談して、日程調整の後、雨漏り個所の下地、その前後6枚程度のトタンを取り替えることにしました。

これから、このような修理のイロイロを、多数ご紹介して参ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドアの不具合

弊社の様な地元の工務店は、建物に関する様々な不具合、修理のご相談を承ります。

特に多いジャンルのひとつが、タイトルにもなっている『ドアの不具合』です。

そのドアの中にも、玄関ドア、部屋内の木製ドア、アルミ製ドアと様々で、

それぞれに、特徴的な不具合があります。

今回はその中で、『玄関ドアの不具合』について、お話します。

 

玄関ドアにも様々な種類のものがあります。

木製、アルミ製、スチール製。。。

因みに直近で、修理に伺ったお宅はスチール製ドアだったので、今回はそのケースについて、ご紹介します。

 

そのドアはいわゆる一般的なマンションタイプのスチール製ドア(以下SD)でした。

(※スチール製ドアは英語表記だと、Steel Doorですから、建築業界では略して“SD”と呼びます。)

建物躯体は某ハウスメーカーさんの軽量鉄骨造でした。

 

不具合の症状としては、

① 2ロックのうちの下の一つの鍵が掛からない。

② SDを閉める時、少し引っかかって閉まりにくい時がある。

ということでした。

※2ロックとは。。。

  最近の玄関ドアは、防犯上、レバーハンドルを挟んで、上下に鍵が一つずつ付いているものが主流です。

 

この状態のものは、経年と、使用状態によりますが、ほとんどの場合が、同じ様な原因によります。

「蝶番がドアの重みに負けて、ドアの頭(上部)が下がってきている」

(特にお子さんのいらっしゃるお宅などでは、ドアの開閉時にハンドルを下に引っ張りながら

開閉してしまいがちです。)

という原因です。

これを“ドアがおじぎしている”といいます。  

そう考えながら現場に向かいました。

実際にドアを見てみると。。。

ドアの開閉自体は、さほど問題はなく、ラッチに機械用のオイル(CRC)を挿したら、スムーズになりました。

ただ、蝶番側の、ドア本体とタテ枠との隙間が、ほんの2~3㎜程度ですが上部の隙間の方が大きいです。

やはり、ドアがおじぎしていました。

 

このような症状の場合の修理方法としては、

① 専用の”蝶番おこし”という道具を用いて、蝶番を調整し直す。

② ドア枠側の受け(以下画像A)のプレートで調整する。

という様な方法が、一般的です。

今回は、症状的にもあまりひどくはなかったので、②の方法を選択して、プラスのドライバーだけを使用して、

10分程度で無事に納まりました。

 

このように、長く住んでいれば、必ずと言っていいほど起きてくる建物に関する不具合は、

ちょっとした豆知識があれば、簡単な道具で、簡単に調整できる場合が結構あります。

 

ご自宅の玄関ドアの調子が少し悪いな~!?とお思いの方は、是非ともチェックしてみてください!

 

◆蝶番                           ◆画像A(ドア枠側受け)

d01.jpgd02.jpgのサムネイル画像          

 

 

 

 

点検・メンテナンス

ちょっとした頼まれ事もあり、ちょうど1年前にお引渡しをさせて頂いた、

お客様のところへ、お邪魔して参りました。

弊社のある東京杉並から、車で1時間半くらい走った郊外にある物件です。

都内とは違い、緑が多く、視界が開けていて、最高の環境にあるお宅です。

約1年ぶりですから、1年点検・メンテナンスも兼ねてですね。

特に外壁の汚れが、どの程度かと、気になりつつ。。。

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全体的に目立った汚れ、クラック等もなく、状態は良好でした!

 

こちらのお宅は、設計当初から、オーナー様のイメージされたデザインが、

“南仏風・テラコッタ風”でした。

ですから、屋根は急勾配で洋瓦葺き、

外壁は、モルタル下地にジョリパットのアートクリフというパターンを使用し、

わざとラフなガサガサ感を出しました。

そしてこの建物で、一番特徴的なのは、外壁から破風に上る部分ですね。

施工という点からも、一番苦労した部分ですが、、、

外壁から屋根に向けて、その間にある破風が、少し逆勾配になりながら、

自然に上がっていくイメージで造りました。

当時の私の頭の中は、中世ヨーロッパの教会をイメージしていました。

その仕上がりは、当初の想像以上でした。

日光のあたる角度によって、様々な陰影がぐきて、外壁のラフさと相まって、とてもいい雰囲気です。

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建物内部に関しても、目立った不具合もなく、とても丁寧にお使い頂いているのが、感じ取れました。

この瞬間が、設計・建築に携わっている者としては、一番のご褒美ですね!

天気も抜群に良かったので、心身共に、とても気持ちの良い、贅沢な一日でした。

 

 

 

 

 

 

揚水ポンプ

先日、揚水ポンプの不具合のご相談を受けました。

築年数は不明(結構古いですね。。。十数年ってとこかな?)で、

RC造の地上5階・地下1階建ての事務所ビルです。

地下の雨水・湧水ピットのポンプが動きっぱなしで、止まらないっていう内容でした。

現地に伺うと、確かに、ウィ~ンとうなっています。

このままでは、ポンプのモーターが焼けてしまって、故障してしまいます。

とにかくピットの蓋を開けて、なかを覗いてみると、、、

溜まった水が渦を巻いてはいますが、どうも吸い上げてませんね。

恐らく、もうポンプは正常には作動しておらず、エアーだけが噴出して、

そのせいで、渦が巻いているのでは?っという症状でした。

オーナー様にご相談すると、メンテナンスもあまりしていないし、これから梅雨本番ですし、

このままピットの水が溢れてきたら困るということで、すぐに新しいポンプを手配することになりました。

その間の数日間は、仮のポンプを中に入れ、水を吸い上げておきます。

 

そして、工事当日。

まず、ピット内の水を全て汲み上げます。

◆清掃前ピット内

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メンテナンスをしていなかったというオーナー様のお話でしたが、

ピット内部の汚れは、さほどではありませんでした。

ですが、底に少し溜まっているヘドロを清掃します。

◆清掃後ピット内

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きれいになりました。

そして、引き揚げた既存ポンプです。

zk004.jpg

↑ この状態でした。。。

これでは、作動しませんね。

底の部分は、腐食して、半分以上ありませんでした。

◆新規のポンプです。

zk003.jpg

ご覧の通り、ピット1箇所に対し、ポンプは2台です。

なぜ2台セットするのかというと。。。

ピット等の揚水ポンプは“交互運転”をします。

● 2台交互に運転することによって、機器の摩耗が均等になり、結果、寿命が延びる。

● 万が一、1台が故障しても、残りの1台が自動運転して、対応できる。

● 万が一、ピット内に溜まる水の量が、ポンプの排水能力を超えても、

  2台目が自動運転することにより、能力が倍になる。

等々の理由によって、2台セットするのが、一般的です。

 

という事で、ポンプを組んでいきます。

◆ポンプ組み上がり

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これらを、ピット内の所定の位置、いわゆる『釜場』と呼ばれる場所にセットします。

そして、ピットからポンプ用の電気ブレーカーに結線して、

テスト運転をして、異常がなければ完了です。

 

今回は、汚水ピットには異常が診られなかったので、よかったです。。。

ただ後日、汚水ピットも清掃・消毒をするという事で、工事が完了しました。

 

 

 

メンテナンス

先日、以前建てさせて頂いたお客様からのご依頼で、メンテナンスの現調に伺いました。

ガレージの庇幕板部分にキズがついてしまったとのことでの修理依頼です。

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業者が寸法をとっている時間に、お隣の建物(こちらも10年くらい前に建てさせて頂きました)

のエントランス・外観をチェックさせて頂きました。

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外壁のジョリパット、ガルバリウム鋼板は多少の汚れ等はありましたが状態は良好でした。

軒天部分の木製羽目板+OPもフケもなく、こちらも状態は良好でした。

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枕木で造形したエントランスエリアは竣工からの月日の流れと共に味わいが出て、

さらにいい雰囲気になりました。

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緑が青々としている今の季節が一年中で一番の見せ場の時ですね! 

 

 

 

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